クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!
その話に、俺は小さく目を見開いた。
それって…
「私泣くことしかできなかったけど、泣くなって言って、お母さんが来るまで一緒にいてくれた優しい男の子がいたんです」
懐かしむように、目を細める華子。
思い出してくれたのは嬉しい反面、どこか浮かない部分もあった。
ガキの頃はわざと強がって、親父にも本当の気持ちを言えなかった、情けないやつで。
それに、今の俺は優しくなんかない。
華子のいろんな顔が見たくて、わざと意地悪したくなるわけだし。