キミノオト
数時間後、私はマンションの別の部屋にいた。
話を聞いてもらおうと、引っ越してきたばかりの優麻ちゃんの家へごはんを持参して押しかけてきたのだ。
もちろん事前に連絡はしたよ。
作ってきた食事を一緒に食べながら、あの記事について話す。
2人のSNSを順番に見て、ため息をつく優麻ちゃん。
「この女優がにおわせてるね。なんならもう嗅がせに来てるね」
「やっぱりそうなのかな…」
もうすぐさよならしなきゃいけないのかな。
「でも陽貴さんがこんな女に誑かされるとも思えないし、そもそも海音ラブじゃんあの人」
もしそうなったてしまったら、まず住むところを探さないと。
「心配ないと思うよ。SNSみても投稿日全部陽貴さんが先だし、この女優が寄せにきてるだけでしょ」
即日入居可なところなんてあるのかな。
「この写真だって、写ってないだけで誠さんと綾さんもいたかもしれないんだし」
…別れたくないな。
「海音さーん、きいてる?」
「え?」
自分の世界に入っていたせいで、優麻ちゃんの話聞いてなかった。
「もう。考えすぎるの海音の悪い癖だよ。絶対大丈夫だから。もし、万が一にでも浮気してたら私が一生後悔するような報復をしてあげる」
他人に見せられないくらい悪い顔してる優麻ちゃん。
だけど、おかげで少し気が晴れた。
「ありがとう」
感謝を伝えると、大好きな優しい眼差しで頭をなでてくれた。