キミノオト

ふと、ファンのみんなはどう思ってるのか気になった私は再度SNSを開く。

<あんな堂々と真剣交際宣言してたのにこんな記事かかれるのか>

<におわせきつ>

<お似合いではあるよね>

<この記事が本当なら陽貴に幻滅だわ。一般人の彼女に同情する>

<推し同士のカップルはアツ過ぎる>

まさしく賛否両論。

私との熱愛報道があっただけに納得いかないって言ってくれる人もいるみたいだけど、誰が見てもお似合いの2人。

応援するって声もたくさんあった。

結局のところ、やっぱり私じゃつりあってなかったんだ。

左手にはまる指輪をそっとなでる。

陽貴君はきっと浮気なんてしてない。

でも、優しい陽貴君はほかに好きな人ができてしまっても、私のために気持ちを消そうとする気がする。

陽貴君には幸せでいてほしい。

冷静に、陽貴君のために今後のことを考えないと。

「もし家に帰りづらいなら、しばらくここにいてもいいよ」

「え?」

「海音ならいつでも歓迎するよ。むしろいてくれた方が楽しいし」

温かい笑顔を浮かべ、そっと私の眉間に触れる。

「そんな難しい顔しなくても大丈夫だと思うけど、こんな記事みて不安にならないわけないよね」

どうやら眉間に皺が寄っていたらしい。

「ありがとう。大好き」

ぎゅっと抱き着くと、抱きしめ返してくれる優しい体温。

たぶん家に帰っても顔をあわせることはないけれど。

少しだけお言葉に甘えちゃおうかな。

< 121 / 133 >

この作品をシェア

pagetop