【失恋同盟】



「結菜。私、佐成くんが好きだからね。駿のことはもう好きじゃないからね?」



その言葉に、結菜が少しだけ目を伏せる。
駿と上手くいってくれないと、私が駿を諦めた意味もない。



「デート誘ったら来てくれるかな…」



ぽつりと、結菜が呟く。



「そんなの、行くに決まってるじゃん…!」



駿なら、喜んで行くよ。そんなの、わかってる。



「何話してんの?」



――駿。

結菜の後ろから、突然現れた。
神出鬼没。
結菜、びっくりしてるよ。



「ほら、結菜頑張って」


「駿、今度お出かけしない?」


「いいね、3人で!」



ちょっと、駿。嬉しそうだけど、違うよ。


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