英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 よくわからないまま説教されて、沈黙が流れた。

 ヒルダさんは一瞬気まずい表情を浮かべたと思うと、誤魔化すように脇に置いていたワゴンを手元に引き寄せた。

「誤解があったようなので。厨房に行き、食べるものを持ってきました」
「えっ、本当に?」

 なんて気の利く人なのだろう。目を輝かせてワゴンごと引き取ろうとしたら、手を出すなとストップがかかる。彼女がそれを中に運び、給仕してくれるというのだ。

 言われるがまま室内に戻り、椅子に座って待っていると、ヒルダさんはワゴンに被せてあったカバーを開き、カトラリーやお皿をテキパキと卓上に広げていった。
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