英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 王太子には正妃の息子である第一王子が確定しており、もしもの後継者争いを避けるため、第二王子たるリアム殿下は帝王教育の機会を与えられずに離宮での暮らしを余儀なくされたという。
 けれどその差別のおかげで、当時ルシウス様の父君が団長を務めていた騎士団の訓練に加わるようになり、レオパルド家とも親交を深めていったのだと。

 武術の才を伸ばしたリアム殿下は、現在は特務隊の隊長を務めているそうだ。
 特務隊とは、王宮の近衛兵とも魔獣討伐を主な任務とする騎士団とも異なる小規模な特殊部隊で、王都で発生する突発的な事件や、隣国との折衝または小競り合いなどにも広く対処する、いわゆる「なんでも屋」。
 王子に当てがう肩書にしては酷いように思えるが、心も体も頑強そうな当人に不遇を憂いている様子は見られない。

「ルシウス、変わりはないか? こっちはずっと国境沿いの紛争に駆り出されていて、おまえの婚礼式にも参加できなかったが」

「つつがなく過ごしております」
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