英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 ついに感情が堰を切り、涙が止めどなく溢れ出した。

「嬉しいです……わたしも、ルシウス様のことを、はじめから」

 その続きは、目の前に迫ったルシウス様の口づけに飲み込まれて消えた。

 きつく抱きしめ合い、無我夢中で唇を重ねる。その瞬間から全身が燃えるように熱くなり、蕩けそうになる。いっそ溶かされて、彼の一部になれたらいいのにと浸りながら、愛しい人の肩にすがりついた。

 貪るようなキスのあと、うっとりと閉じていた瞼を開くと、上気した彼の、熱っぽい表情が目に飛び込んでくる。

「……アレクシア。君が欲しい」
< 270 / 398 >

この作品をシェア

pagetop