英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
そもそも、こうした殿下の思わせぶりな態度は、本気ではないと思っている。おそらく、わたしという人物を見極めるための演技、そして少しの悪ふざけだ。
「彼女は俺の妻ですから、諦めてください。まったく節操のない……アレクシア、母上のところへ行こう」
ルシウス様はしつこく嘆いている友人をあっさり捨て置くと、わたしを引き連れ、馬車のそばにたたずむグレイス様の元へと向かった。しかし御大は頑なに顔を背けたままだ。
「母上」
「……よくもわたくしの前に顔を出せたものね。まさか息子に裏切られるなんて」
「裏切ってなどおりません。むしろ感謝しています。母上のおかげで、夫婦の絆も深まりましたから」
「はぁ!? あなたたち、まさか、わたくしをダシに……」
怒りに顔を染めたグレイス様が、目を剥いてこちらを睨みつけた。するとルシウス様が一歩前に踏み出し、わたしを庇うように立つ。
「彼女は俺の妻ですから、諦めてください。まったく節操のない……アレクシア、母上のところへ行こう」
ルシウス様はしつこく嘆いている友人をあっさり捨て置くと、わたしを引き連れ、馬車のそばにたたずむグレイス様の元へと向かった。しかし御大は頑なに顔を背けたままだ。
「母上」
「……よくもわたくしの前に顔を出せたものね。まさか息子に裏切られるなんて」
「裏切ってなどおりません。むしろ感謝しています。母上のおかげで、夫婦の絆も深まりましたから」
「はぁ!? あなたたち、まさか、わたくしをダシに……」
怒りに顔を染めたグレイス様が、目を剥いてこちらを睨みつけた。するとルシウス様が一歩前に踏み出し、わたしを庇うように立つ。