英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
身を強張らせたわたしの代わりに、側方面から再び鋭い声が飛ぶ。
「承知しかねる! そちらの訴えは事実無根。姫がなにを思ってそんな嘘を言ったか知らないが、身内の言葉をうのみにするとは、賢君と呼ばれた公爵の目も曇ったか!」
ルシウス様の猛抗議を受けた公国の使者は一瞬面食らった様子を見せたが、負けじと説教めいた口調で返した。
「あなた様はルシウス・レオパルド辺境伯閣下でございますね。閣下は悪妻に騙されていると、姫が申しておりました。ですが事件はあなた様の目の届かぬところで起こっていたのです。我が姫は、嫉妬に狂ったアレクシアから酷く罵られ、侍女を取り上げられ孤立させられたあげく、濡れ衣を着せられ追い出されたと涙ながらに語りました。帰国時の哀れなありさまを見れば、疑う余地もありません」
真実ではないのに嘘だと言いきれない巧みな表現だ。反論せねばと思うのに、切り口が見つからない。
耳を傾けている貴族たちは、隣り合う人と頷きを交わしながら、疑うような目をわたしに向けている。おそらく使者の言葉を信じかけているのだろう。
「承知しかねる! そちらの訴えは事実無根。姫がなにを思ってそんな嘘を言ったか知らないが、身内の言葉をうのみにするとは、賢君と呼ばれた公爵の目も曇ったか!」
ルシウス様の猛抗議を受けた公国の使者は一瞬面食らった様子を見せたが、負けじと説教めいた口調で返した。
「あなた様はルシウス・レオパルド辺境伯閣下でございますね。閣下は悪妻に騙されていると、姫が申しておりました。ですが事件はあなた様の目の届かぬところで起こっていたのです。我が姫は、嫉妬に狂ったアレクシアから酷く罵られ、侍女を取り上げられ孤立させられたあげく、濡れ衣を着せられ追い出されたと涙ながらに語りました。帰国時の哀れなありさまを見れば、疑う余地もありません」
真実ではないのに嘘だと言いきれない巧みな表現だ。反論せねばと思うのに、切り口が見つからない。
耳を傾けている貴族たちは、隣り合う人と頷きを交わしながら、疑うような目をわたしに向けている。おそらく使者の言葉を信じかけているのだろう。