英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
(いつぞやバルコニーから入ってきて、はじめは猫だと思っていたあの子は、やっぱりロキ君だったのよね)
少年が豹の姿になれると知ったときから薄々感づいていたとはいえ、無駄に焦らされた気がするのは否めない。
看病されている間に思い立って尋ねてみたら、悪戯っ子の彼は「そんなこともあったっけ?」とうそぶく始末だ。
「こんなに気軽に変身してくれるのなら、もっと早く教えてほしかったわ」
寂しさを覚えていた当時に再会できていたら、どれほど心の支えになったことかと文句を言うと、相手は「だってルシウス様の許可が出なかったから」と口を尖らせた。
主君の命令なら仕方ないとは思うが、なにか理由があったのだろうか。
(ロキくんが小さくなれることは機密事項だったのかもしれないわね。あの頃のわたしはまだ信用されていなかったでしょうから……)
そんなふうに適当に納得していると、ドアをノックする音が聞こえて関心が移った。「どうぞ」と声をかけるとすぐに扉が開いて、お盆を持ったルシウス様が姿を見せる。
少年が豹の姿になれると知ったときから薄々感づいていたとはいえ、無駄に焦らされた気がするのは否めない。
看病されている間に思い立って尋ねてみたら、悪戯っ子の彼は「そんなこともあったっけ?」とうそぶく始末だ。
「こんなに気軽に変身してくれるのなら、もっと早く教えてほしかったわ」
寂しさを覚えていた当時に再会できていたら、どれほど心の支えになったことかと文句を言うと、相手は「だってルシウス様の許可が出なかったから」と口を尖らせた。
主君の命令なら仕方ないとは思うが、なにか理由があったのだろうか。
(ロキくんが小さくなれることは機密事項だったのかもしれないわね。あの頃のわたしはまだ信用されていなかったでしょうから……)
そんなふうに適当に納得していると、ドアをノックする音が聞こえて関心が移った。「どうぞ」と声をかけるとすぐに扉が開いて、お盆を持ったルシウス様が姿を見せる。