英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
 黒髭が合図をすると、下座にいた別の男がわたしのところにやってきて、一枚の書類を机の上に置いた。
 初めて目にするものでも内容を想定しやすい形式のそれは――。

「離婚届け……ですか」

 予想どおりの出方であり、驚きはなかった。

 彼らの頭の中は手に取るようにわかる。
 ルシウス様の出世を、まるで自分の手柄のように勘違いした輩たち。
 我が物顔で気を回し、せっかくの栄光を汚す恐れのあるわたしを排除しにきたというわけだ。
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