英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
「なにを言うのです、姉上! その女は家門のためにならないと、あれほど……」
「おだまりなさい、ノートン。今後いっさい、ふたりの仲に口を出すことは許しません。それから、わたくしの誇りである夫をよくも侮辱したわね。家門の名を高めてくれたあの人に感謝もしないおまえたち親子には相応の罰を与えるわ。当面の間、家門御用達の店との取引を禁じます」
「え、そんな……そうしたら食料や服の調達はどうすれば……お待ちください、姉上!」
足早に扉から出ていくグレイス様を伯爵が追いかけていき、その息子もあたふたとあとを追う。残された者たちも慌てて席を立つと、愛想笑いで誤魔化しながら転がるように去っていった。
どうやら面倒事は綺麗さっぱり片づいたらしい。
(グレイス様……いいえ、お義母様。わたしを認めてくださった……)
大きなことをやり遂げたという思いが、全身に漲っている。
この気持ちを共有しようと夫のほうに顔を向けると、煌めくような笑顔と抱擁が待っていた。
「……アレクシア、ありがとう。……愛している」
なにより嬉しい言葉を上乗せされて、わたしはこの日、愛する人の家族の一員として正式に認められたのだった。
*
「おだまりなさい、ノートン。今後いっさい、ふたりの仲に口を出すことは許しません。それから、わたくしの誇りである夫をよくも侮辱したわね。家門の名を高めてくれたあの人に感謝もしないおまえたち親子には相応の罰を与えるわ。当面の間、家門御用達の店との取引を禁じます」
「え、そんな……そうしたら食料や服の調達はどうすれば……お待ちください、姉上!」
足早に扉から出ていくグレイス様を伯爵が追いかけていき、その息子もあたふたとあとを追う。残された者たちも慌てて席を立つと、愛想笑いで誤魔化しながら転がるように去っていった。
どうやら面倒事は綺麗さっぱり片づいたらしい。
(グレイス様……いいえ、お義母様。わたしを認めてくださった……)
大きなことをやり遂げたという思いが、全身に漲っている。
この気持ちを共有しようと夫のほうに顔を向けると、煌めくような笑顔と抱擁が待っていた。
「……アレクシア、ありがとう。……愛している」
なにより嬉しい言葉を上乗せされて、わたしはこの日、愛する人の家族の一員として正式に認められたのだった。
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