英雄の妻に転生しましたが、離縁されるようです ~旦那様、悪妻の私を愛さないでください~
こういうとき、近くにいる紳士が手を伸ばして支えてくれる――なんて都合のいいことは起こらずに、そのまま順当に転んで頭から落下していた。ゴツン、と鈍い音が深夜の寝室に虚しく響く。
「いったぁ……」
厚い絨毯が敷かれているとはいえ、それなりに衝撃はある。ベッドの下にひっくり返ったまま起きられずにいると、ふいに遠慮がちな声が降ってきた。
「すまない。少し驚いていて……手を貸すのが遅れた」
逞しい腕が背中に差し込まれ、勢いをつけてぐいっと抱き起される。
(なんですか、もう。今さら……)
恥ずかしいし痛いしで、目頭が熱い。抵抗する気力も起きずに力なく身を任せていると、すっぽりと抱えられた腕の中で、ぬくぬくとした体温が伝わってきた。
「いったぁ……」
厚い絨毯が敷かれているとはいえ、それなりに衝撃はある。ベッドの下にひっくり返ったまま起きられずにいると、ふいに遠慮がちな声が降ってきた。
「すまない。少し驚いていて……手を貸すのが遅れた」
逞しい腕が背中に差し込まれ、勢いをつけてぐいっと抱き起される。
(なんですか、もう。今さら……)
恥ずかしいし痛いしで、目頭が熱い。抵抗する気力も起きずに力なく身を任せていると、すっぽりと抱えられた腕の中で、ぬくぬくとした体温が伝わってきた。