義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 翌日はちょうど休日。
 家には両親も兄もいたが、どうしても顔を合わせる気になれなかった。

 両親は、私があの“真実”を知ったことをまだ知らない。
 でも私は、もう知ってしまっている。

 だからといって、両親のことを責めるつもりなんてない。
 嫌いになったわけでも、信用できなくなったわけでもない。

 ただ、今はまだ向き合う気持ちの整理がつかない。それだけ。

 私は最低限の挨拶だけして、そそくさと家を出た。

 兄とも顔を合わせなかった。
 もしかすると、兄も私を避けていたのかもしれない。
 でも、それは気まずさとか、会わせる顔がないとか――そういうことじゃない。
 きっと、私の気持ちを思ってのこと。

 今は会いたくないだろうって、察してくれたんだと思う。
 たぶん、それだけのこと。


 このぐちゃぐちゃな気持ちを、誰かに聞いてほしかった。
 ひとりじゃ、どうにかできそうにない。

 昨日、流斗さんに話せたおかげで、少しは落ち着けた。
 でも……まだ足りない。

 ふと頭に浮かんだのは、蘭の顔。

 私はスマホを取り出し、迷わず連絡を取った。


< 232 / 296 >

この作品をシェア

pagetop