義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 そして翌朝。

 けたたましく鳴り響くベルの音。
 顔をしかめながら、手探りで目覚ましを止めた。

 眠たい目をこすりながら上体を起こし、ふわぁっと大きく伸びをする。

「うーん……」

 伸びた姿勢のまま、固まった。
 ……思い出してしまった。昨日のこと。

「うわーっ、私、朝から何考えてんの!」

 布団をかぶって、ひとり悶絶する。

 あれは夢じゃないんだよね。
 兄に告白されて、両想いになって、両親にも祝福されて……。

 まあ、男に変身するなんてこと自体、じゅうぶん夢物語だけど。

 と、思ったところで私は勢いよく起き上がった。

 え? 本当にもう変身しないんだよね!?
 あんなにドキドキしたのに平気だったし。
 うん……きっと大丈夫。

 そう自分に言い聞かせて頷いた、そのとき。
 ふと視線の先にあった時計が目に飛び込んできた。

「やばっ」

 一人で悶々としていたせいで、けっこう時間が過ぎていた。

 急いで着替えて部屋を飛び出し、洗面所で顔を洗って髪を整える。
 鏡の中の自分に微笑み、「よしっ」と小さく気合を入れた。

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