義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます
教室に足を踏み入れた瞬間、クラス中の視線が一斉に私へと向けられた。
ドキンと胸が跳ねる。
注目されるの、苦手なのに……これはきつい。
戸惑いながらも、一歩一歩、床を踏みしめ前へ進む。
教壇の前に立ち、ぎこちなくクラスを見渡した。
「皆さん、今日からこのクラスの仲間になります。南優さんです」
先生が紹介すると、教室はざわめきに包まれる。
うう〜、緊張する!
「南、優です。人見知りなところもありますが、仲良くしてください」
なけなしの勇気を振り絞って笑顔を作ると、控えめな拍手が起こった。
けれど、視線の集中砲火は相変わらず。
こそこそと話す女子たちの視線が痛いほど刺さる。
ま、転校生なんてこんなもんだよね……。
っていうか、正体バレてないよね!?
自己紹介を終えた私は、促されるまま席へと座った。
ふう……ひとまず第一関門突破かな。
そう思ったのも束の間だった。
休み時間になると、私の席はあっという間に人だかりに囲まれてしまった。
「どこから来たの?」
「好きな食べ物は?」
「兄弟いるの?」
矢継ぎ早の質問に、たじたじになりながら笑顔で応じていく。
その中に――どこか見覚えのある顔。
ら、蘭?
驚いて目をこらすと、確かに彼女がこちらを見ていた。
えっ、なんで蘭が!?