義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

 昼休み。
 チャイムの音と同時に、教室内がざわつき始める。

 昼食を求めて立ち上がるクラスメイトたちのあいだで、私はなぜか、あっという間に取り囲まれていた。

 男女問わず、次から次へと昼食の誘いが飛び交う。

 こんなにモテモテなの、初めてかも……。
 はっ、私って唯より、優の方がモテるのか?

 そんなことを考えていると、聞き覚えのある声が廊下から飛び込んできた。

「待たせたな。皆すまない、優は俺がもらってく」

 颯爽と教室のドアを開けて入ってきた兄が、まっすぐ私の元へ歩み寄ると、手をぐいっと取った。

「きゃっ、咲夜さん!」
「こんなに近くで見れるなんて……!」

 教室の空気が一気に華やぐ。
 女子たちが黄色い歓声を上げ、目を輝かせながら兄を見つめていた。

「また一緒にお食事でも!」
「咲夜さん、こんにちはっ!」

 今度は男子たちまで、照れたように声をかけてくる。

 ……はぁ。

 兄は男女問わずモテる。
 それは妹として自慢だし嬉しいことなんだけど――困るんだよね。
 焼きもち、妬いちゃうから。

 兄の手に引かれながら、どうしようもないモヤモヤがじわじわと広がっていった。

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