義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます
「さ、ここなら邪魔は入らないだろ」
兄が連れてきたのは屋上だった。
ドアを開けた瞬間、あたたかな光と共に風がふわりと頬をかすめる。
そのとき、視線の先に見覚えのある姿があった。
風に髪を揺らす流斗さんが、こちらを見て優しく微笑む。
「流斗!?」
兄が驚いた声を上げた。
「なんで、ここがわかったんだ?」
「なんでって……なんとなく咲夜の行動を読んでみたんだよ。ここかなって。
やっぱりあなたも一緒でしたか……南優くん」
流斗さんがにこやかに歩み寄ってくる。
えっ、どうして名前を!? 教えてないのに。
っていうか、今どういう状況?
混乱しながら兄を見れば、兄も複雑な表情で流斗さんを見つめていた。
流斗さんはすぐ目の前に立ち止まり、私をじっと見つめる。
そして、ニコッと笑った。
「南優さん。もとい、川野唯さん……ですよね?」
その瞬間、私と兄は固まり、言葉を失った。
ど、どうしてバレたの!?
思考がぐるぐると回り、頭が真っ白になる。
「おい、流斗」
兄が声を荒げかけるが、流斗さんは穏やかにそれを制した。
「待って。大丈夫、僕は君たちの味方だよ」
流斗さんは爽やかな笑顔を崩さず、優しい声でそう言った。