義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます

「なるほどねえ」

 ぽかぽかと暖かな日差しが降り注ぐ中、流斗さんはタコさんウインナーを口に頬張りながら、うんうんと頷いている。

 あのタコさんは、流斗さんの手作りなのだろうか。
 もしそうなら、意外な可愛い一面を発見してしまったみたいで、なんだか嬉しい。

 流斗さんって、そういう素をなかなか見せない人だから。
 掴みどころがないというか……。

 私もお弁当を広げるけれど、あまり喉を通っていかなかった。

 やっぱり、そんなにすぐ気持ちを切り替えられるほど、私は能天気じゃない。
 誰かさんとは違って――。

 ちらりと兄に視線を向ける。
 兄はガツガツとお弁当を平らげ、もうすぐ完食しそうな勢いだった。

 けれど、その目だけは流斗さんをじっと睨んでいる。

 食べるか睨むか、どっちかにすればいいのに。

 この場所をあっさり当てられたことが、かなりショックだったらしい。
 自分の考えを読まれたのが気に食わない、と。

 正直、私にはその気持ちがよくわからなかった。
 兄が何をそんなにムキになっているのか、やっぱり謎だ。

 でも、それ以上に驚いたのは、流斗さんに私の正体がバレていたこと。
 いつ、どこで気づかれたのかはわからない。けれど――

 私は思い切って、変身のことを全部打ち明けた。
 流斗さんなら、信じてくれる気がしたから。

 案の定、彼は真剣な表情で、ひと言も遮らずに最後まで話を聞いてくれた。

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