【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 早く言えばそういうことになる。奏君が話を合わせてくれるなら、嘘をついて一人暮らしすることも出来そうが、それはなんとなく奏君にも反対されそうで、ひとまず私はコクリと頷いた。小さい時から私の世話を焼いてくれた彼も、とても心配性だった。ひとまず私が柊兄と住むマンションを出れば、柊兄は何の心配もなく結婚が出来るはずだ。


「――なら、俺と結婚しよう」
「…………へ?」


 またまた、思考が停止した。
 続いて気が遠のくような気分になった。
 口を開けたままポカンとしていると、奏君は説得をするように続ける。


「別れたなら新しい相手が必要だろう? なら俺にすればいい。俺なら気心が知れてるし、楓のことを誰よりも大事にできる。柊だって俺になら安心して君を託してくれるだろう。以前の交際相手から俺が君を略奪したと言えば、自然だ」


 聞き間違いではなかった。それどころか……


「いや、ぜんぜん自然じゃないよね……?」


 おかしな事態になった。


「柊なら絶対に納得する」
「いやいや絶対にしないって……」


 っていうか、私が納得できないという話だ。


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