【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 そして、私自身……今も同じ気持ちかと聞かれると答えに困るが、嫌ではないなんて思ってしまっている……

 そう。悪い話ではないと思うけれど――

 それでも、七年前に、苦しくて、苦しくて、これ以上奏君の負担になちりたくなくて、七年前彼を拒んだのに……頭が追い付かない。

 
「楓……」


 奏君左手が、私の頬にそっと触れた。そして、真っすぐ視線を絡めたまま続けた。


「君がなぜ、俺の言葉をそんなに疑うかは分からないが……俺は、君以上に大切なものなんてない。離れていた間もずっと楓だけを思いながら過ごしてきたし、君を誰より幸せにすると誓える。俺を選んで絶対に後悔はさせない――大人しく受け入れろ」


 情熱的な告白に、胸がふるりと震える。
 真っ直ぐ私を見つめる、色素の薄い奏君の綺麗なアーモンドアイ。そこからは強い輝きが放たれている。


 この七年の間で彼にどんな心境の変化があったかはわからない。そもそも、彼のこの気持ちがどんな感情から来ているかは分からない。恋愛的なものなのか、親きょうだいに対するような親愛的なものなのか。もしくは、どちらでもないのか。

 だけど――
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