【書籍化】幼馴染のエリート外交官にカラダから堕とされそうです
 七年前に聞いたあの言葉は、何かの間違いだったのだろうか……?
 そう思えるほどに、自分でもうまく説明できない本能的な部分から、彼が嘘偽りなく口にしていることが伝わってくる。
 そんなふうに見つめられたら……

 
「……でも、奏君の気持ちは嬉しいけど、やっぱり無理だよ」


 了承の言葉が喉元まで出掛かったその一瞬、もうひとつ重大な問題があることに気付いた。


「どうしてだ?」


 私は、重い口を開いた。


「……さっき、私とシしても、『悦くない』って言われてきた」
「……は?」


 突拍子もない告白に、奏君の表情が一気に強張った。
 はじめて見る表情に、少しだけ躊躇したけれども、真剣に私を助けてくれようとする彼に対し、私はきちんと伝えなければと思った。


「私、あんまり感じない体質みたいで……私自身も体を重ねることが気持ちいいと思えなかったの。そしたら、相手もやっぱりよくなかったみたいで……今日、会いに行ったら他の子と夢中になってシてた……」


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