行き倒れ騎士を助けた伯爵令嬢は婚約者と未来の夫に挟まれる
訝しげにフレデリックの話を聞いていたアリシアだったが、最後の言葉に驚きフレデリックを見つめる。
「気づいた時には体から大量の血が流れ出し瀕死の状態だった。意識が遠くなりながらもうだめた、せめてアリシアにもう一度会いたい、どうしても会いたいと強く思ったんだ。そうして気づいたらここにいて、君と出会った」
アリシアを見つめるその瞳にはひとつも曇りがなく、澄んでいる。全くもって信じられない話だが、嘘をついているようにはどうしても思えなかった。
「こんなこと言われても信じられないだろうけど、真実なんだ。……そうだな、信じてもらうためにアリシアの好きなもの、嫌いなもの、俺とアリシア、家族しか知らないことを話そうか」
そうして、フレデリックはアリシアについて次々と話をする。さらにはアリシアと家族しか知らないようなことまでも話はじめ、その内容にアリシアは目を丸くして赤面していった。
(な、な、な、なんで?どうして私の腰にある星座のようなホクロのことまで知っているの!?家族や乳母、メイド以外知らないはずなのに!)
アリシアの様子に、フレデリックはニヤリと笑ってとどめをさす。
「どうやら信じてもらえそうだな。あとは俺がアリシアの未来の夫だという証拠だが……そうだな、近いうちに君は父上から縁談の話をされる。その相手は侯爵家の次男で、見た目は黒髪にアパタイト色の瞳の男だ。見た目はまぁ、悪くないだろ。同じ学校に通っていたが、学年が違うからほとんど接点はなかったな。廊下ですれ違ったり、たまに話をしたことはある。名前はフレデリック・ヴァイダー。つまり、若い頃の俺だ」
真剣な顔でフレデリックが言うと、アリアは唖然とした顔でフレデリックを見つめている。
(この人が、私の未来の夫……?ありえない、そんなことありえないのに、どうしてだろう、絶対に嘘だとは思えない)
どう考えてもそんなことありえないはずなのに、嫌に信憑性がある。しかもこの男、自分の腰のホクロのことまで知っているのだ。信じたくないのに拒否できない自分がいる。
アリシアは混乱してしまいどう返事をしていいものか考えあぐねいていると、コンコンと部屋の扉がノックされた。
「お嬢様、旦那様がお呼びです」
「気づいた時には体から大量の血が流れ出し瀕死の状態だった。意識が遠くなりながらもうだめた、せめてアリシアにもう一度会いたい、どうしても会いたいと強く思ったんだ。そうして気づいたらここにいて、君と出会った」
アリシアを見つめるその瞳にはひとつも曇りがなく、澄んでいる。全くもって信じられない話だが、嘘をついているようにはどうしても思えなかった。
「こんなこと言われても信じられないだろうけど、真実なんだ。……そうだな、信じてもらうためにアリシアの好きなもの、嫌いなもの、俺とアリシア、家族しか知らないことを話そうか」
そうして、フレデリックはアリシアについて次々と話をする。さらにはアリシアと家族しか知らないようなことまでも話はじめ、その内容にアリシアは目を丸くして赤面していった。
(な、な、な、なんで?どうして私の腰にある星座のようなホクロのことまで知っているの!?家族や乳母、メイド以外知らないはずなのに!)
アリシアの様子に、フレデリックはニヤリと笑ってとどめをさす。
「どうやら信じてもらえそうだな。あとは俺がアリシアの未来の夫だという証拠だが……そうだな、近いうちに君は父上から縁談の話をされる。その相手は侯爵家の次男で、見た目は黒髪にアパタイト色の瞳の男だ。見た目はまぁ、悪くないだろ。同じ学校に通っていたが、学年が違うからほとんど接点はなかったな。廊下ですれ違ったり、たまに話をしたことはある。名前はフレデリック・ヴァイダー。つまり、若い頃の俺だ」
真剣な顔でフレデリックが言うと、アリアは唖然とした顔でフレデリックを見つめている。
(この人が、私の未来の夫……?ありえない、そんなことありえないのに、どうしてだろう、絶対に嘘だとは思えない)
どう考えてもそんなことありえないはずなのに、嫌に信憑性がある。しかもこの男、自分の腰のホクロのことまで知っているのだ。信じたくないのに拒否できない自分がいる。
アリシアは混乱してしまいどう返事をしていいものか考えあぐねいていると、コンコンと部屋の扉がノックされた。
「お嬢様、旦那様がお呼びです」