行き倒れ騎士を助けた伯爵令嬢は婚約者と未来の夫に挟まれる
31寄り添いたい
「俺はあの日からメリッサのことが気になって仕方がなかったんだ。でも学校内で俺なんかが話しかけたら、メリッサに迷惑がかかるだろう?だからずっと遠くから見守ってた。俺が卒業してからは、偶然を装ってメリッサに近づいて、メリッサの心に入り込めるよう頑張ったよ。メリッサの孤独は俺の孤独と少し似てる。だから、メリッサの気持ちはよくわかるし、メリッサの心に入り込むのも簡単だったよ」
過去を思い出すようにうっとりとした顔でそう言うと、サリオンは急に表情を変えてフレデリックを睨む。
「それなのに、俺はもうメリッサに必要ない?アリシアがいるから大丈夫だ?ふざけるな、メリッサに必要なのは俺だ。アリシアが邪魔になるなら、アリシアを消せばいい。そうだな、そうしよう」
名案だという顔をして嬉しそうに微笑むサリオン。それを見てフレデリックが顔を顰め口を開こうとすると、近くから人影が現れた。
「お姉様を消す?そんなことしないでください!」
「……メリッサ!?」
柱の影からメリッサ、そしてメリッサに寄り添うようにしてアリシアが、そしてその二人のすぐ後ろにフレンがいる。アリシアの姿を見てサリオンは盛大に顔を歪めた。
「メリッサ、どうしてアリシアと一緒にいるんだ。本当に仲直りしてしまったのか?」
「サリオン様、私はお姉様と話し合って和解しました。あの日のことも許してもらえました。だから大丈夫です。サリオン様には感謝してます、ですから……」
「やめてくれ!そうやってもう俺は必要ないって言うんだろ?俺を、俺を拒否するのか?今まであんなに寄り添ってあげたのに?ひどいじゃないかメリッサ……」
「サリオン様……!」
絶望した顔でメリッサを見つめるサリオンを、メリッサは驚愕の顔で見つめている。そして、フレデリックとフレンはアリシアたちを守るようにして立った。
「そんなに俺がいらないって言うなら、いっそのことここで全員死んでしまえばいいんだ、そうだ、そうしよう、メリッサ。君がいない人生なんていらない。君もアリシアたちもみんないなくなればいい」
フワッとサリオンの周囲に魔法の光が浮かび上がる。フレデリックとフレンが剣を構えて防御姿勢に入ったが、メリッサがズイッと前に進みでた。
過去を思い出すようにうっとりとした顔でそう言うと、サリオンは急に表情を変えてフレデリックを睨む。
「それなのに、俺はもうメリッサに必要ない?アリシアがいるから大丈夫だ?ふざけるな、メリッサに必要なのは俺だ。アリシアが邪魔になるなら、アリシアを消せばいい。そうだな、そうしよう」
名案だという顔をして嬉しそうに微笑むサリオン。それを見てフレデリックが顔を顰め口を開こうとすると、近くから人影が現れた。
「お姉様を消す?そんなことしないでください!」
「……メリッサ!?」
柱の影からメリッサ、そしてメリッサに寄り添うようにしてアリシアが、そしてその二人のすぐ後ろにフレンがいる。アリシアの姿を見てサリオンは盛大に顔を歪めた。
「メリッサ、どうしてアリシアと一緒にいるんだ。本当に仲直りしてしまったのか?」
「サリオン様、私はお姉様と話し合って和解しました。あの日のことも許してもらえました。だから大丈夫です。サリオン様には感謝してます、ですから……」
「やめてくれ!そうやってもう俺は必要ないって言うんだろ?俺を、俺を拒否するのか?今まであんなに寄り添ってあげたのに?ひどいじゃないかメリッサ……」
「サリオン様……!」
絶望した顔でメリッサを見つめるサリオンを、メリッサは驚愕の顔で見つめている。そして、フレデリックとフレンはアリシアたちを守るようにして立った。
「そんなに俺がいらないって言うなら、いっそのことここで全員死んでしまえばいいんだ、そうだ、そうしよう、メリッサ。君がいない人生なんていらない。君もアリシアたちもみんないなくなればいい」
フワッとサリオンの周囲に魔法の光が浮かび上がる。フレデリックとフレンが剣を構えて防御姿勢に入ったが、メリッサがズイッと前に進みでた。