俺が、私で、アイドルで - 秘密を抱いてステージへ
夜、瞳の部屋。母はまだ帰ってきていない。
スマホの画面を開き、昼間もらったパンフに書かれていた応募フォームを表示した。
――本気でやろうなんて思っていない。
――けど、せっかく渡されたし。冷やかすくらい、いいよね。
画面には、名前・年齢・性別・趣味特技……と無機質な入力欄が並んでいる。
「……名前は、“藍原ヒトミ”。漢字だと女っぽいし、カタカナで」
年齢は16歳。性別の欄で、指が止まった。
――女、って押すのも違うし。
――男子枠でスカウトされたんだし……。
数秒迷ってから、「男性」をタップする。
趣味・特技の欄には、スケボーとリズムゲーム。
自己PRは、頭に浮かんだ言葉をそのまま打ち込んだ。
“負けず嫌いで、やると決めたことはやり切るタイプです。人前で歌ったことはないけど、歌うことが好きです”
――……真面目すぎ? まあいいか。
最後に写真。友人が撮ったスナップをフォルダから選ぶ。パーカーにスニーカー、短髪の自分。画面に映るのは、どう見ても“王子様系”男子だった。
送信ボタンを押すと、すぐに「応募完了」の文字が表示された。
スマホを机に放り出し、ベッドに寝転がる。
――どうせ落ちるし。
――それでも……ちょっとくらい、ワクワクしてもいいかな。
翌日。学校から帰ると、スマホに一通のメールが届いていた。
《一次審査(書類選考)通過のお知らせ》
スマホの画面を開き、昼間もらったパンフに書かれていた応募フォームを表示した。
――本気でやろうなんて思っていない。
――けど、せっかく渡されたし。冷やかすくらい、いいよね。
画面には、名前・年齢・性別・趣味特技……と無機質な入力欄が並んでいる。
「……名前は、“藍原ヒトミ”。漢字だと女っぽいし、カタカナで」
年齢は16歳。性別の欄で、指が止まった。
――女、って押すのも違うし。
――男子枠でスカウトされたんだし……。
数秒迷ってから、「男性」をタップする。
趣味・特技の欄には、スケボーとリズムゲーム。
自己PRは、頭に浮かんだ言葉をそのまま打ち込んだ。
“負けず嫌いで、やると決めたことはやり切るタイプです。人前で歌ったことはないけど、歌うことが好きです”
――……真面目すぎ? まあいいか。
最後に写真。友人が撮ったスナップをフォルダから選ぶ。パーカーにスニーカー、短髪の自分。画面に映るのは、どう見ても“王子様系”男子だった。
送信ボタンを押すと、すぐに「応募完了」の文字が表示された。
スマホを机に放り出し、ベッドに寝転がる。
――どうせ落ちるし。
――それでも……ちょっとくらい、ワクワクしてもいいかな。
翌日。学校から帰ると、スマホに一通のメールが届いていた。
《一次審査(書類選考)通過のお知らせ》