皇太子に溺愛されすぎて、侍女から公爵令嬢になりました
第1章 婚約破棄
その日、私は初恋の人の結婚を目の当たりにした。
「皇太子セドリック・ルーベンスと、隣国の姫君クラリッサ・ド・アルヴァロとの婚約を発表する。」
高らかに告げられた声が玉座の間に響き渡ると、瞬く間に拍手と祝福のざわめきが広がった。
絢爛な装飾に包まれた広間の中央で、私の初恋の人――セドは姫と手を取り合い、誇らしげに歩みを進めていく。
その姿はまさしく未来の王にふさわしく、誰もが羨望の眼差しを向けていた。
「おめでとうございます、皇太子殿下!」
声が震えそうになるのを必死に抑え、私は誰よりも大きく張り上げた。
胸の奥が焼けつくように痛むのに、顔には笑みを浮かべるしかなかった。
そう、私はセドリック皇太子殿下にお仕えする侍従なのだ。
幼い頃からずっと彼を慕ってきたけれど、その想いを口にすることなど決して許されない。
私はただ、殿下の幸せを祈るしかない――そう言い聞かせながら、拍手を続けていた。
「皇太子セドリック・ルーベンスと、隣国の姫君クラリッサ・ド・アルヴァロとの婚約を発表する。」
高らかに告げられた声が玉座の間に響き渡ると、瞬く間に拍手と祝福のざわめきが広がった。
絢爛な装飾に包まれた広間の中央で、私の初恋の人――セドは姫と手を取り合い、誇らしげに歩みを進めていく。
その姿はまさしく未来の王にふさわしく、誰もが羨望の眼差しを向けていた。
「おめでとうございます、皇太子殿下!」
声が震えそうになるのを必死に抑え、私は誰よりも大きく張り上げた。
胸の奥が焼けつくように痛むのに、顔には笑みを浮かべるしかなかった。
そう、私はセドリック皇太子殿下にお仕えする侍従なのだ。
幼い頃からずっと彼を慕ってきたけれど、その想いを口にすることなど決して許されない。
私はただ、殿下の幸せを祈るしかない――そう言い聞かせながら、拍手を続けていた。
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