望みゼロな憧れ騎士団長様に「今夜は帰りたくない」と、良くわからない流れで言ってしまった口下手令嬢に溺愛ブーストがかかってから
なんでも出来る秘書官ロイクさんが直接淹れてくれているというお茶は、とっても美味しい。茶菓子として用意されたお城で雇われたパティシエが作ったクッキーも、とても美味しい。
……そうなの。私ときたら美味しいお茶を飲み過ぎてしまい、お手洗いに行きたくなってしまった。
危険回避の観点から、この部屋を出ない方が良いとは理解しているけれど、これは生理的な現象なので止めようがない。
私はハビエル様の執務室で同じように机を用意されているロイクさんへ、チラッと視線を送った。すぐに顔を上げ視線を受け止めてくれたロイクさんは、冷静な表情で頷いた。
「……お手洗いですね?」
私も彼に向けて、真顔で頷いた。ええ……このままでは、とんでもないことになってしまう。
ロイクさんはスッと立ち上がり、扉へと私を誘導した。そして、扉を開ける前に注意事項を早口で言った。
「最短距離で行きましょう。少し距離がありますが、すぐに行って帰ってくれば問題ないはずです」
私はこくこくと頷き、彼が扉を開いたと同時に歩き出した。
……そうなの。私ときたら美味しいお茶を飲み過ぎてしまい、お手洗いに行きたくなってしまった。
危険回避の観点から、この部屋を出ない方が良いとは理解しているけれど、これは生理的な現象なので止めようがない。
私はハビエル様の執務室で同じように机を用意されているロイクさんへ、チラッと視線を送った。すぐに顔を上げ視線を受け止めてくれたロイクさんは、冷静な表情で頷いた。
「……お手洗いですね?」
私も彼に向けて、真顔で頷いた。ええ……このままでは、とんでもないことになってしまう。
ロイクさんはスッと立ち上がり、扉へと私を誘導した。そして、扉を開ける前に注意事項を早口で言った。
「最短距離で行きましょう。少し距離がありますが、すぐに行って帰ってくれば問題ないはずです」
私はこくこくと頷き、彼が扉を開いたと同時に歩き出した。