望みゼロな憧れ騎士団長様に「今夜は帰りたくない」と、良くわからない流れで言ってしまった口下手令嬢に溺愛ブーストがかかってから
夕闇押し迫る薄暗い光の中、背の高い草の中に身を伏せて、私たちは隠れていた。
「大丈夫です。落ち着いてください。走る馬車は急には停まれないので、今は王家の影も僕らを見失っているはずです。いずれは、団長が迎えに来てくださいますので、ここで身を潜めて待ちましょう」
ロイクさんの口振りからすると、マチルダ様の放った『王家の影』では私たちを見つけられないのに、ハビエル様であれば見つけられるだろうということになる。
私が不思議そうにしたことに気がついたのか、ロイクさんは目を瞬いた。
「ああ。すみません。説明が足りませんでしたね……治安維持であったり実務を主とする王立騎士団の団長職はクラレット公爵家の三男だからと、拝命出来るものではありません。無能では務まりませんし、しかも多くの数の部下を使うことが出来ますから、機動力にかけて騎士団は『王家の影』の比ではありません。ここに居れば、団長はすぐに見つけてくれるはずですよ」
ロイクさんの言葉から|端々(はしばし)からは、ハビエル様への絶対的な信頼を感じる。部下からそう思われるという事は、これまでに彼がそれだけの成果を挙げているということだろう。
……やっぱり、素敵な人だな。ハビエル様。
彼と一緒に居れば危険がすぐことにあることは、もうよくよくわかったけれど、結婚出来るなら……したいな……。
「大丈夫です。落ち着いてください。走る馬車は急には停まれないので、今は王家の影も僕らを見失っているはずです。いずれは、団長が迎えに来てくださいますので、ここで身を潜めて待ちましょう」
ロイクさんの口振りからすると、マチルダ様の放った『王家の影』では私たちを見つけられないのに、ハビエル様であれば見つけられるだろうということになる。
私が不思議そうにしたことに気がついたのか、ロイクさんは目を瞬いた。
「ああ。すみません。説明が足りませんでしたね……治安維持であったり実務を主とする王立騎士団の団長職はクラレット公爵家の三男だからと、拝命出来るものではありません。無能では務まりませんし、しかも多くの数の部下を使うことが出来ますから、機動力にかけて騎士団は『王家の影』の比ではありません。ここに居れば、団長はすぐに見つけてくれるはずですよ」
ロイクさんの言葉から|端々(はしばし)からは、ハビエル様への絶対的な信頼を感じる。部下からそう思われるという事は、これまでに彼がそれだけの成果を挙げているということだろう。
……やっぱり、素敵な人だな。ハビエル様。
彼と一緒に居れば危険がすぐことにあることは、もうよくよくわかったけれど、結婚出来るなら……したいな……。