愛憎路
第八話 青春は続いていく物
光のベールが私から剥がれ落ちた時、家のベッドで横たわっていた。転送された後は横たわって起きるのがルールなのだろうか。
あの日から一日が経っていた。今日は月曜日だ。転送され空けだけど学校へ向かう。
電車に揺られ、学校へ着くと陽介君とその彼女、そして私の友達である浅中千枝ちゃんが並んで歩いていた。
その仲良し加減を見て、改めて感じる。やっぱり身を引くのが正しかったと。私では多分、陽介君のあんな笑顔を引き出すなんて事は出来ない。
少し屈んで早足で横を通り過ぎる。すると横から、
「湊さん!おはよう」
と陽介君が声をかけてくれた。
「あれ、裕子ちゃんなんか変わった?大人になった、みたいな感じ?」
そんな私の肩をツンツンと千枝ちゃんは突く。
なんか変わった、というかなんと言うか。
「私、失恋を経験してしまいまして・・・ 」
たった今、改めて私は失恋した。
「湊さん、失恋の痛みは今の内に負っておいた方が将来的にダメージ少ないよ」
「そうそう!」
「千枝さん失恋した事あるの?」
「無いよ」
「じゃあ言う資格は無いんだよ!」
湊さん、と千枝さん、という上の名前で呼ぶか下の名前で呼ぶかという所からもやっぱり何か距離を感じる。でも、それでもいいんだろう。
「帰り、買い食い付き合って」
私はボソッと二人に頼む。
「湊さんがそういう事いうの、珍しいね」
「うん、覚醒した感じだね」
この三人で、これからも何気なく過ごす。
そう、これでいいんだ。あんなに憎んでいた千枝ちゃんに対しても、何だか普通に接していいと今は思えている。
そんな落ち着いた心を、予鈴の音が急かし始めていた。
あの日から一日が経っていた。今日は月曜日だ。転送され空けだけど学校へ向かう。
電車に揺られ、学校へ着くと陽介君とその彼女、そして私の友達である浅中千枝ちゃんが並んで歩いていた。
その仲良し加減を見て、改めて感じる。やっぱり身を引くのが正しかったと。私では多分、陽介君のあんな笑顔を引き出すなんて事は出来ない。
少し屈んで早足で横を通り過ぎる。すると横から、
「湊さん!おはよう」
と陽介君が声をかけてくれた。
「あれ、裕子ちゃんなんか変わった?大人になった、みたいな感じ?」
そんな私の肩をツンツンと千枝ちゃんは突く。
なんか変わった、というかなんと言うか。
「私、失恋を経験してしまいまして・・・ 」
たった今、改めて私は失恋した。
「湊さん、失恋の痛みは今の内に負っておいた方が将来的にダメージ少ないよ」
「そうそう!」
「千枝さん失恋した事あるの?」
「無いよ」
「じゃあ言う資格は無いんだよ!」
湊さん、と千枝さん、という上の名前で呼ぶか下の名前で呼ぶかという所からもやっぱり何か距離を感じる。でも、それでもいいんだろう。
「帰り、買い食い付き合って」
私はボソッと二人に頼む。
「湊さんがそういう事いうの、珍しいね」
「うん、覚醒した感じだね」
この三人で、これからも何気なく過ごす。
そう、これでいいんだ。あんなに憎んでいた千枝ちゃんに対しても、何だか普通に接していいと今は思えている。
そんな落ち着いた心を、予鈴の音が急かし始めていた。