制服世代

年賀状

一旦、進路のことは忘れて、私は年賀状作成に取り掛かることにした。

私の場合、上半分にはショートエッセイのようなものを印刷し、下半分にメッセージを直筆で書いて、干支の判子を押して終わり。

戌年なので、名古屋に住んでいた頃、マンションの3階まで野犬に追いかけられて号泣したエピソードを書いた。

印刷だけで終わりという人も多いだろうけれど、やはり受け取る側としても一言だけでもメッセージがあるほうが楽しいだろうと思い、必ず何か書くようにしている。

仲のいい子たちに一枚一枚書いてゆき、その時、何故か突然、高峰の顔が浮かんだ。

年賀状を送る相手は、8割が女の子だ。

2割の男の子というと、名古屋時代の子への生存確認と、部活の先輩に義理で書くぐらいで、クラスの男子には書いていない。

何故か、高峰に送りたいと思った。

住所なら、連絡網を見たらわかること。
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