クールな上司の〝かわいい〟秘密 ――恋が苦手なふたりは互いの気持ちに気づけない
智田は、彼女が自身の気持ちを胸の奥に隠すことをよく知っている。そんな彼女が、自分の前でだけどこか暗い雰囲気を醸す。
ということは、きっと恋人である自分に思うことがあるのを言い出せずに、のみ込んでいるのだろうと思い至った。
(恋はどうやって進展させていけばいいのか、よく分からない。だが、あんなに遠回りをして里咲と結ばれたんだ。手放したくなどない)
以前の恋は、うまくいかなかった。だから、言いたいことがあるのなら嫌いになる前に伝えてほしいと思う。
ミーティングが終わりに差しかかり、智田は思い切って里咲に声をかけた。
「なにか、不満があるのか?」
「え?」
彼女はいつも通りでいたつもりなのだろう。智田の言葉に顔を上げた彼女は、きょとんとしていた。
「俺が原因なら改善するから言って欲しい。上司として、恋人として、里咲の役に立てるならそうしたい」
嫌わないで欲しいから。そう言えなかったのは、見栄を張ったからだ。里咲の前では、かっこいい男でいたい。
ということは、きっと恋人である自分に思うことがあるのを言い出せずに、のみ込んでいるのだろうと思い至った。
(恋はどうやって進展させていけばいいのか、よく分からない。だが、あんなに遠回りをして里咲と結ばれたんだ。手放したくなどない)
以前の恋は、うまくいかなかった。だから、言いたいことがあるのなら嫌いになる前に伝えてほしいと思う。
ミーティングが終わりに差しかかり、智田は思い切って里咲に声をかけた。
「なにか、不満があるのか?」
「え?」
彼女はいつも通りでいたつもりなのだろう。智田の言葉に顔を上げた彼女は、きょとんとしていた。
「俺が原因なら改善するから言って欲しい。上司として、恋人として、里咲の役に立てるならそうしたい」
嫌わないで欲しいから。そう言えなかったのは、見栄を張ったからだ。里咲の前では、かっこいい男でいたい。