Pandora❄firstlove
もう俺は何も望まないし、年を明けたら教師を辞める。
そう恩師に向けて話していた。
恩師というのはカウンセラー。
俺がもっとも信頼して、頼りにしてしまっている先生だ。
「………そうか、そんな事がーーー」
「ひどい話だよな………俺は………俺は、何一つとしてわかってなかった」
気まずい沈黙が流れる中、話を切り出したのは先生だった。
「だけども、お前はよく向き合った」
「悪いと思っているだけでもみたいなことか?」
「あぁ……。ここまでよく戦ったよ」
それは優しい笑みを向けられていることに気がついて。
ホッとしている俺がいて。
だけどもきりりと顔を引き締めた、先生。
「だけども、お前は本当にそれでいいのか?」
「………分からない。でも教師としてのけじめで、こんな最低野郎は教育現場から離れるべきだと思った」
「………そうか。だが、人を愛することが絶対に悪いことではないぞ?」
「え……」
「確かに触れてはいけないというルールはあるが、心のなかでそっと思い続けるのは悪いことではない。ただそれを行動に移さなければだ」
遠回しに「行動に移したのがまずかったと」フォローを入れられているのが、気まずくなって。
「ごめん………よく言っていることが分からない。俺は………その………どう償えばいいのか」
幼き迷い子をあやす子供のように、優しい目で笑いかけた先生。
「まだ、教師を続けてーーー悪いと思った事すべてを生徒に返すんだよ」