机の中で出会った想い
放課後の図書室。
私はいつものように参考書を広げていた。
成績は、決して良くない。
テストのたびに赤点ギリギリで、見かねた先生に呼び出されることもしょっちゅう。
……でも、私だってちゃんとやってるのに。
誰よりも早く来てノートに向かい、誰よりも遅くまで残って単語を暗記する。
家に帰れば深夜まで机に向かい、寝不足で次の日を迎える。
「努力すれば報われる」なんて言葉があるけど、私にとってそれはちょっと遠い。
必死に勉強しても、平均点には届かないことばかりだった。
だから、あの一言が胸に刺さった。
『努力してるの、ちゃんと見てるよ』
……私のこと、本当に見てくれてる人がいるの?
そう思っただけで、涙がにじみそうになる。
頑張る理由なんて、ただ一つで十分だった。
――誰かが、私の努力を認めてくれている。
そのことが、次のページをめくる勇気に変わっていった。