机の中で出会った想い
数日後、学年末テストが始まった。
机の上に問題用紙が配られる。
文字の羅列を目にした瞬間、頭が真っ白になる。
……ヤバい。やっぱり、全然わかんない 。
昨日まで必死に暗記した英単語も、計算の公式も、頭からこぼれ落ちていく。
鉛筆を持つ手が震えた。
――そのとき、胸ポケットに入れた紙の感触を思い出した。
『きっと大丈夫』
息を整える。
大丈夫。きっと、大丈夫。
深呼吸をして、もう一度問題を見直す。
最初に分からなかったはずの問題が、少しずつ解けていく。
あれ……? 私、できてる……?
気がつけば、最後まで答えを書き切っていた。