海月 lyric
夏が去った、後の僕は俄に
ただ辿って、また迷ってしまった。

雨が去って、晴れが降った視界と
僕の声は
漣に打ち消され続けたまま

風を背負って、殻になった自転車
ただ走って、また迷ってしまった。

明日が今日と、「さよなら」って、
手を振るスピードですら
僕を置き去りにしていく気がして。


言えずにいた言葉も、言ってしまった言葉も、
いつかまた、並べてさ。

曖昧にしてたこと、ちゃんと話をしようか。
なんてばっかだよな。


ただ、僕が少し、君に触れることも
所詮は、空論ですか。
それなら彷徨うだけの僕はもう
海月のようだ。

怯えてしまった失敗も、
あの日の後悔も、
わすれられないからさ、
せめて何も言わないで。


思い出した、あれは確か、いつかの、
憧れって、空を泳いだ記憶だ。

君にもっと、僕を知って欲しくて
的外れな
優しさを向けてしまっていたんだ。


知ろうとすればするほど、
聞こうとすればするほど、
遠ざかる、あの音が。

もうとても遅いけど、ちゃんと形にしようか。
なんて、馬鹿だよな。


この一生で、ただ1度だけ、
この手で触れられますか。
「もう無理しないで。」なんて
優しさが、''痺毒''になって

嘘も、簡単な感情も、あの日の贖罪も、
わすれられないからさ、
せめて、何も言わないで。


fine.
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