スノードロップ

11本の薔薇を貴方に

「最初は苦しそうだなくらいにしか思わなかったけど
辛いのに頑張って1人で耐えてる君をみて僕は心の底から
助けたい、そう思った。僕ステラを守って、助けたい」

誰も私を認めてくれる人なんか、見てくれる人なんか、居ないと思ってた。けど私はういに会うとこんなに心臓がドキドキして落ち着かなくなっていた。私もきっとういと同じ気持ちだろう。

「_僕と付き合ってください。お姫様、」

優しい笑顔で私に「お姫様」と言ってくれたうい…

「お願いします。王子様、」

私も彼と同じで王子様と言う。私の目の前に11本の綺麗な赤い薔薇があった。

「11本の薔薇の花言葉知ってる?」
「知らない、」

「…最愛、宝物、大切にしたいもの。僕は君を大切にするよ」

…っ、私も、貴方を大事にしたい_


_お母さんとカウルは暴行罪によって警察に逮捕されて私をいじめていた人たちは退学処分になったと電話が来た。ーずっと望んでた結果なのに私は心が晴れなかった。お母さんとカウルは連行されても車の中でもうるさく泣いていたらしい…。

お母さん…カウル…最初は優しかったあの二人が…私を苦しめさせて、痛くさせて…私は…どう生きたらいいの?今更お母さん達の愛なんて受け取れない、愛を知らない。

『お母さん、ステラのこと大好きよ。死ぬまで貴方を守ってみせる_ 』

何が原因なのだろう…優しいお母さんがあんなに変わってしまった。画面に写るお母さんを目の前にして私は何も言えなかった。


そして2年の月日が流れーー。

「ステラ_僕と結婚して下さい」

綺麗な指輪と999本の薔薇を抱えて。

素敵なレストラン、綺麗な夜景、綺麗な指輪、綺麗な歓声の中私はプロポーズされた…

「はい…っ喜んで」

綺麗な夜景と歓声に包まれながら私たちは誓いのキスをした_

さらに1年後__

ゴーン…ゴーン……

私たちの結婚を祝ってくれる嬉しい音…

「新郎うい_貴方は病める時も健やかなる時も富めるときも彼女を愛し一生の愛を誓いますか?」

「_はい、誓います」

「新婦ステラ_貴女は病める時も健やかなる時も富めるときも彼を愛し一生の愛を誓いますか?」

「はい、誓います」

『 誓います 』

二人の言葉が重なり_

「新郎新婦_誓いのキスを…」

やがて…1つになる…


ー うい side ー


お色直しに黒色のドレスを着たステラ、美しく髪も再セットされていてとても綺麗な僕の愛する人_結婚記念の撮影_この結婚式場に彼女の両親は居なかったがそれでも彼女は、幸せそうに笑っていた。最初の僕からは結婚なんて考えられなかった_

世界一愛していた僕の元彼女、れぐ_宇宙一愛している僕の妻、ステラ…れぐ、君を忘れて新しい愛に出逢ったよ…ありがとう。

「撮りますよ、新郎新婦を囲って何か一つポーズを。」

カシャ_カメラのシャッターを合図に僕の幸せな道開きのドアは開いた。




3年後___ ステラside



私は家へ入ると必ず玄関にある棚を見る。

玄関にある小さい棚には3年前私たちが結婚した『あの写真』が飾られている。あの嬉しい時を、あの楽しかった時を、1つの時間として写真に収めてくれた。ういと私が愛して愛し合ったモノ。

ねぇ、うい…出会った時も、付き合ってる時も、貴方は必ず優しい目で私を見つめて優しく微笑んでくれたね…私はあの笑顔がずっと大好き…

「ステラ、何ぼーっとしているの?今日は花の楽園に行くんだろう?」

今日は3年記念日に花の楽園に行く。あの頃のように優しい笑顔で私の手をとってくれる。

ガチャ_私たちの未来への扉がそっと開こうとしていた

ーーーさようなら。

ネガティブだった私
さようなら
絶望していた時の私
さようなら
悲しさで泣いていた私

これからは君と一緒に同じ道を歩みながら生きていく。

___ パシャっ


写真の中には999本よりもずっと多い赤い薔薇が並んでいた。

1000本は超えている薔薇に花言葉をつけるとしたら…私はきっと『 永遠 』と名付けるだろう_

今も、これからも、ずっと、キミと同じ道を歩みたい。


『 愛してる 』
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