私を拾ってくれますか?
奈垣くん、闘争心を燃やす。
飯田 星。〝奈垣くんってナルシスト系?気持ち悪いよ〟と生意気を言ってきた変わり者で、そこらへんの思春期の女子とは少し違う。俺らしくなく失恋したやつを励ましているけど、飯田が自然体で俺に接してくれているからこそ、構いたくなるんだろう。
「家、ここだから。送ってくれてありがとう」
「おう。振り回して悪かったな」
いつでも付き合うと話したけど、本気でまた遊びに行きたいと言ったら、飯田は嫌がるだろうか。そんなことを考えて、次を誘おうか迷っていると、飯田の背後に人が立っているのが見えた。
一瞬目をやると、飯田と初めて話した日の放課後に見た、飯田の隣に居た男だった。あれが旭か。ということは、飯田に隙があれば近づこうとこちらを伺っている?
咄嗟に、あいつが考え直して飯田と付き合いだしたら…。なんて、ありもしない考えが頭をよぎり、焦って飯田に一歩近づいた。
「ごめん。今から変なことするけど、びっくりしないで」