私を拾ってくれますか?




_______学校の帰りに幼馴染に告白して、失敗する人を初めて見た。というより、私が初めてにしてしまった。


幼馴染に告白する流れは王道だと思っていたし、成功するって思い込んでいたから、フラれるのは予想外。



「明日からやりづらい…」




私、飯田 星と幼馴染の庄司 旭は家が隣同士。やりづらいっていうのは、家から学校に向かうのに、登校時間も一緒だから必ず会ってしまうってこと。振られて次の日に、旭に顔を見られたくない。


どうせ旭は何も変わらず、〝よっ〟とか言ってきそうだけど、私にいつも通り振る舞う自信はない。



次の日のいつもより一時間早い通学路は、賑やかさもないし陽もそこまで昇っていないから、暗くて少しだけ不気味。部活の朝練に行く人たちは、こんな通学路を毎日通っているんだな。


学校に着き誰も居ない下駄箱に、上靴をすのこに落とした音をやけに響かせて、教室に向かう。当然教室も誰も居ない。窓からは朝日が降り注ぎ、机に反射した光が黒板に照らされ、いつもより薄い緑色を放つ。勉強ばかりで退屈なはずの場所が美しく見えた。


人が居ないだけで、エモさが増している。早く登校してくるのも悪くないなと、一人机に伏せて黄昏た。


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