私を拾ってくれますか?
今日は教室に戻らなくても良いようにカバンを持って、職員室に日誌を届け、廊下で待っていてくれた奈垣くんと一緒に学校を出た。
「あのマネージャーさんは、あれからどうなったの?」
あれからというのは、私が偶然見てしまったマネージャーの告白。奈垣くんはあの時断ったと言っているけど、諦めていないと思う。
「マネージャーの話はもう良いよ。勝手に言ってるだけだし、放っておいたらそのうち諦めるでしょ」
「そうかな…。結構本気に見えたけど」
「何。俺があいつと付き合ったら良いと思ってんの?」
「それは…、違うかな。奈垣くんがあの子と並んで歩いてるの、ちょっと嫌だもん」
ど直球に嫌だと言うのも、独占欲の塊を主張しているみたいで、〝ちょっと〟を付けた。〝ちょっとって何だよ〟と私の顔を見ないまま低い声で突っ込まれて、奈垣くんの表情を伺うと、目尻を下げて困ったように、でも優しく笑ってくれていた。