からかわないでよ、千景くん。



「あっ、覚えてないんだったらいいんだけどっ…」



ほんとは、全然よくない。

でも、そう言うしかなかった。



「あー、思い出した」



指定の場所について荷物を置くと、千景くんはまた考えてる顔をしていた。


(私に、言いたくないことだったのかな…)


少しだけ、不安がよぎる。



「体調悪そうだったから保健室連れてったけど、保健室に置いてすぐ帰ったよ」



…あ、そうだったんだ。

ほっとして、胸をなでおろす。


(私、そんなことでもやもやしてたの?)


自分でもびっくりするくらい、心が軽くなった。


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