からかわないでよ、千景くん。
分かってるでしょ、千景くん。
体育祭当日。
今日は、志緒ちゃんとお揃いコーデ。
クラスTシャツを折って、ショート丈にした。
ちょっとだけお腹が見えるのが、なんだか新鮮。
髪はポニーテールにして、シュシュでまとめた。
風が吹くたびに、ふわっと揺れる。
頬や腕には、キラキラのシールを貼って—— まわりの光を集めるみたいに輝いてる。
(かわいい)
鏡を見て、そう思えた。
グラウンドには、たくさんの人。
「あ、ちょっと行ってくるね」
志緒ちゃんが彼氏を見つけたらしく、 笑顔で走っていった。
ぽつんと残された私は、 人混みの中をぼんやり見渡す。
(千景くん、ちゃんと来てるよね?)
今日、一回も見てない。