からかわないでよ、千景くん。
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席替えをして、2日目の朝。
私は志緒ちゃんの前の席に座って、志緒ちゃんの“彼氏”の話を聞いていた。
「昨日なんか、夜電話しようって言ったのに、あっちが寝落ちしてさー…」
志緒ちゃんは机に顔を伏せて、ぐにゃぐにゃに溶けてる。
その姿が、なんだかかわいい。
彼氏がいるって、どんな感じなんだろう。
毎日LINEして、電話して、くだらないことで笑って、時々ケンカして… そういうの、私にはまだよくわからない。
私も、誰かに「おはよう」って言われて、意味もなくドキドキしてみたい。
誰かの名前を聞くだけで、顔が熱くなるような、そんな気持ち。
…いつか、私にも来るのかな。
「志緒ちゃん、我慢したんだね〜…」
私はそっと、志緒ちゃんの頭を撫でた。
ふわふわしてて、なんか猫みたい。