からかわないでよ、千景くん。
すると、志緒ちゃんがじーっと私の顔を見てきた。
目が合った瞬間、なんだか変な空気。
「こーんなに可愛いから、いじめたくなる気持ちも分かるな〜」
そう言って、大きなため息をつく志緒ちゃん。
いじめたくなる…? え、なにそれ。どういう意味?
私は首をかしげて、ぽかんとした顔のまま「なんのこと?」って聞いた。
すると志緒ちゃんが、私の耳元に顔を近づけて、ひそひそ声で言った。
「千景のことだよ」
その名前を聞いた瞬間、胸がきゅっとなった。
私はそっと、千景くんの方をチラッと見た。
千景くんは机に体を預けて、静かに寝ている。
「なずな、大丈夫?千景に変なことされてない?」
志緒ちゃんが突然ガバッと起き上がって、私の両手をぎゅっと握りしめた。