からかわないでよ、千景くん。



次の競技は、二人三脚。
入場門に整列して、ソワソワしていた。


(テントでは千景くん見かけなかったけど、今はさすがにいるよね?)


1回戦の相手は、2組。



「月城さん、足くっつけようか」



笹村くんが、マジックテープを持ってきてくれた。



「うん、お願い」



足をくっつけていると—— 後ろの方で、千景くんの姿を見つけた。


(あっ…いた)


すごく嫌そうな顔で、足止められてる。


(なにあれ…おもしろすぎる)


思わず笑ってしまった。



「何見てるの?」



笹村くんが、私の視線に気づく。



「千景くん、おもしろいなって」


「…あぁ。月城さんって、千景のこと好きだよね」


「すっ、好きとかじゃないよっ!」



全力で否定した瞬間—— 笹村くんが、ポカンとした顔をする。



「恋愛的な意味で言ったつもりじゃなかったんだけど…」


(しまった…自分から墓穴掘っちゃった…!)



笹村くんは、私の気持ちに気づいてるのか、気づいていないのか—— 「おもしろいね、月城さん」
そう言って、笑った。


(もう…穴があったら入りたい)


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