からかわないでよ、千景くん。
パン!と、スタートの合図が鳴った。
(千景くんも見てるんだから、絶対失敗はできない!)
練習の成果を、全部出す。
戻ってきたクラスメイトとハイタッチして—— 笹村くんと息を合わせて走り出す。
「いち、に、いち、に…」
声を合わせながら、リズムよく進む。
(順調…!)
一回も転ぶことなく、次の2人に繋げることができた。
笹村くんと、ハイタッチ。
(千景くんも、見てくれたかな)
次は、千景くんの番。
千景くんも、一回も転ぶことなく生還。
(さすが…全然練習してなかったのに)
その瞬間—— バチっと、千景くんと目が合った気がした。
でも、すぐに逸らされた。
(気のせい…?)