からかわないでよ、千景くん。



背中を、ぽんぽん。
千景くんの手が、優しくリズムを刻む。



「すき…だい、すき…」



息が整わないまま、なんとか言葉にする。

その瞬間、千景くんがぽつりとつぶやいた。



「…なずなのこと、めちゃくちゃにしたくなる」



めちゃくちゃって、どういう意味…?
でも、頭がぼんやりしてて、うまく考えられない。

そういえば、千景くんの気持ち…まだちゃんと聞いてない。
私ばっかり、好きって言ってる。



「ち、かげくん…」


「なに?」


「私のこと…す、き?」



ようやく聞けた。少しずつ、頭がクリアになってくる。


どうしてキスしたの? なんでいつもからかってくるの?

教えてよ。



「好きだよ。なずなより、ずっとね」



そう言って、おでこにキスされた。



「え?それってどういう―――」



言いかけた唇を、キスでふさがれる。



「内緒」



千景くんは、またあの意地悪な笑みを浮かべてる。




ずるいよ、千景くん。


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