からかわないでよ、千景くん。
「なんで、逸らすの?」
グイっと顎をもたれて、強制的に目が合う。
「あ…う…」
怖い。怖い、けど—— 千景くんの目から、目が離せない。
「今日、笹村に抱きしめられてたね」
「それは…階段から落ちそうになったからで」
「ふーん」
じりじりと、千景くんが迫ってくる。
目を逸らしたいのに、千景くんがそれを許してくれない。
「なんで、そんなに俺のこと振り回すの?」
ち、千景くんがそれを言う? 私に?
「そんなの、千景くんの方がっ…!」
「笹村が隣の席でよかったね。 いつも、助けてもらえるし」
「な…なんで、」
なんで、そんなこと言うの…?
胸が、ぎゅっと痛くなる。