からかわないでよ、千景くん。
「なずなは……バカだし、やっぱり俺のこと舐めてる」
千景くんは起き上がって、おでこに貼っていた冷えピタをぺりっと剥がした。
「ち、千景くん?」
「俺の気持ち信じないくせに、すぐ欲しがるし、全然いうこと聞かない」
「……っ」
千景くんの手が、私の頬に触れる。
あつい。熱のせいか、いつもよりも色っぽくて—— 目が離せない。
「ほんとっ……どうしようも、ないね」
「……んっ」
千景くんの唇が、私の唇にそっと重なる。
一瞬、時間が止まったみたいだった。
熱を帯びたそのキスは、優しいのに、どこか切なくて。
「んっ…はぁっ…」
「……風邪、うつしたらごめん」
そう言う割には、 止めてくれそうもない。
少し口を開けただけなのに—— グッと押し込まれて、より一層、激しくなる。
息が、うまくできない。でも、苦しいわけじゃない。