からかわないでよ、千景くん。



「“ひとつひとつの言動が一々かわいくて、どうしても目で追ってしまう。俺が初めて欲しいと思った女の子”だっけ?」



どうだ……!
どや顔で、千景くんに言い放つ。



「え、なんで知ってんの?」


「ふふっ」



平さんに聞いた。
“千景くんにとって月城さんってどんな子?” そう聞かれて、千景くんが答えた言葉。
ほんとに嬉しかった。胸が、ぎゅっとなった。



「直接聞きたいな?」



そう言うと、千景くんは はぁとため息をついて、「勘弁して」って顔を隠しながら言うの。

その仕草が、ずるくて、かわいくて—— 胸がきゅっとなる。

ほんとに、私のことが好きなんだ。



だったら——


そんなに私のことが好きならさ。


これからも、私だけにしてね?千景くん。


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