からかわないでよ、千景くん。



保健室のこともあって、もともと気まずかったのに。

今の流れで、さらに気まずさ倍増。



「ち、千景くん、あのね…」



私は、勇気を振り絞って話しかけた。

保健室でのこと、ありがとうって言いたくて。

それに、笹村くんは別にタイプじゃないってことも、ちゃんと伝えたくて。

えーっと…何から言えばいいんだろう。



「この前、保健室で…あ、ありがとう?」



言葉がふわふわして、うまく出てこない。

すると千景くんは、ふっと笑って言った。



「ぎゅーしたら、すぐ寝たよね。なずな」


「…うぅ…」



それのことじゃなくて…! 運んでくれたこと! 布団かけてくれたこと! そういうの!

顔が真っ赤になって、思わずうつむいた。



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